翻訳ときどき通訳 - それは呪いではありません
Inflatable seatbelt (膨張形シートベルト)
メーカーさんによって呼び名が違うようではありますが、ショルダーベルト (shoulder belt) が膨張することにより、鎖骨 (clavicle / collarbone)への衝撃を和らげて骨折を防止するってな仕掛けです。
鎖骨が折れるのは呪われているから
ってどこかで聞きました。オカルト系やらスピリチュアル系では語られているようです。
嘘はやめましょう。
きっぱり否定しますけど、衝突の衝撃を甘く見ているんじゃないですかね?シートベルトは衝突時に25㎜引き出される前に、巻き戻しが入ります (The elongation (EC/ECC) / extension (FMVSS) from the reel (EC/ECC) / retractor (FMVSS) shall be within 25 mm after the impact)。1トン以上のGがかかる中で、巻き戻しをする巻き戻し力 (retraction force) だって相当なものです。釣りをする方はお分かりと思いますけど、魚がかかるとリールから糸が引き出されるあの感じ。魚だって命を懸けて逃げにかかるわけで、相当な重さで人も引っ張られます。それを巻き戻して魚を捕獲するのですが、この場合は人間の身体を椅子に固定して、ドアや窓からポーンと飛び出ないよう (prevent a driver / passenger(s) from being ejected) に、内装にぶつけて余計なけがをしないようにします。
衝突した時の応力の強度や方向にもよりますが、鎖骨の1本や肋骨は普通におれますから。決して呪いじゃありません。
私の感覚ですけど、呪いで折れるってそれ、何もしなくて折れたら呪いかもしれませぬ。