chikakamiyatransbizのブログ

通訳者・翻訳者として日々の活動、他

エンジニアラブな翻訳者たち - 変形生成英文法。文法を科学する

うっわぁ。久しぶりのブログで頭痛いタイトル。どうよ⇒私

 

私の文法バイブルはノーム・チョムスキーの変形生成文法です。古いけど。 

English Grammar as Scientific と彼は表現しています。 

方程式のように英文法の構造をとらえていて、これならエンジニア脳に刺さると思います。英語屋ホンポは契約書など多く手掛けていますが、定式として日本語を分解・分析して英文を組み立てます。そう、いうなれば建築作業をしているような感じです。2X4みたいな感じ。その逆も行いますが、日本語の組成とは違うので英文を組み立てるようには行きません。ここが日本人が英語が苦手な理由と思われます。定式にできないんですね。一つの文に二つの主題を組み入れても何とかなる融通無碍な言語が日本語だからです。まぁ、ええやんか、これくらい~にしてしまうと、土台に屋根を組み合わせるような英文になってしまって相手に通じにくい。

各品詞はそれぞれ役割を持っています。そして一文をチームとして結束を持たせるためのルールがあります。いわばこれが英文法なんです。少なくとも私はそう考えています。

いずれ漫画にしますが、その前に旅に出ます。探さないでください(笑)

英語屋ホンポはたまにエネルギーが切れてしまうので、補充しに方位取りなる旅行を行っておりますよ。いや、まぁ、最初はフリーになったばかりの時に不安で始めたんですけど、これがまた良い気分転換になるんです。犬吠埼まで両親を連れての一足早いクリスマスです。お醤油せんべいを買って来ようっと。

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秋も深まってまいりましたね。

 

エンジニアラブな翻訳者たち - 災害お助け隊通訳・翻訳のためのブレーンストーミング茶話会の内容を考え中

ポケトークじゃ間に合わない事態ってやはり災害や緊急事態発生の時だと思います。そう言う時こそ脳をフル稼働しましょう。

そこで、フリーの通訳者・翻訳者と行政を結びつける。タダのボランティアではなく、できたら準職員あるいは協力通訳者・翻訳者として対価をもってしっかりと災害時に活躍する、そして行政の職員さん方には力いっぱい被災者の避難にまわる。これを実現したいと思うのです。

今日は偶然ボランティアにお見えになっていた赤十字国際委員会で知り合った元自衛官の方と話をしたところ、行政ヒエラルキーの壁があると伺い、これは私たちにはない知識かも、と思ったのです。そこで、この方を交えて色々お話しできたらなと思いました。この方は数々の災害対応のご経験がおありです。

あとは日程の設定ですよね~。

日頃考えることは無かったのですが、今回19号の時に避難をしていろいろなことが見えました。外国人の方々への対応って自治体によりかなり差があるみたいなんです。

これはやばいやろ~

というわけで、先日区議会に諮って下さった議員さんに色々入れ知恵をしてドンドン話を進めてもらおうと思っています。

初めてなので不手際があったり、のろかったりするんですが、とにかく前に進めます。

 

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今日は満月🌕ですよ~

 

エンジニアラブな翻訳者たち:茶話会を開こうと

先日の続きなのですが、通訳者・翻訳者の茶話会を開いてどうしたら行政と結びつけるかについて皆さんとお話ししたいと思っているんですよね。

その内容と言うか、進行とアジェンダを考えようかなと思っています。

行政からこうした活動で収入を得られることで、一種のステータスの確保になるんじゃないかなと。英語が話せたら右から左に通訳・翻訳できるかというとそうではありません。TPOに合わせた言葉遣い、通訳には気を使ってくれない人たちの早いスピードや量に耐えてなおもアウトプットする。社内的にはおかしくなくても社外の人間が読むと???な社内ジャーゴンや言い回し、上に忖度した言葉遣いなどを解釈して言葉に落とし込む。機械にはまだまだ任せられない部分なのです。

こうしたプロの技術をあわよくばボランティアで使おうというのは無理。私たちフリーランサーは、もちろんボランティアもしますけど、ボランティアしている間は無収入になる場合が多いのです。ボランティアもまた被災者であれば、それはつらすぎる。また、区外、市外、県外のボランティアと緩やかなネットワークをつなげば、3.11の時のように私たちが急遽SNSなどでグループをバラバラに作らず、もっと機動的に動けるのではないかと思っています。ボランティアはご近所づきあいの外国語講座などを開きたいのです。層を厚くしないと互助が生まれません。

英語屋ホンポはまた自由の身になりますので、こういった活動をふやす方向で動きます。

 

エンジニアラブな翻訳者たち - K 区議からのメッセージ

台風19号が猛威を振るったあの日、機械翻訳による「川へ避難してください」事件が発生。そこで私が住む区の議員さんへメッセージを入れました。こんなに早く返事を頂けるとは。

英訳ホンポからのお願い事項

1. 通訳・翻訳者のプールを区内外につくる。

2. 一定の対価を払う

3. 機械翻訳の能力は万能ではないことを周知する。

 

実際に私たちが暮らす区には在日外国人の方が多く、英語はもちろんのこと、中国語、ベトナム語タイ語の需要もあります。しかし、今回は避難の広報が日本語を話せない方々にはうまく届いていないことが判明。通訳者のボランティアプールを持っているようなのですが、同様に被災してしまった上にボランティアをした場合、フリーランサーは収入が途絶えるのです。職員の方々も被災しますが給与が保証されています。初動では区内の通訳・翻訳者が活動し、徐々に区外通訳・翻訳者に活躍してもらうと良いでしょう。今回の広域災害では自治体横断的な協力が欠かせません。

そこで、K区議は現状を調査したうえで上記3点につき、区議会に諮ってくださったそうです。私たちだってボランティアは吝かではありませんが、日ごろのコミュニティへの貢献にはやはり何らかの経済的サポートが必要です。

当たり前のようにボランティアを頼るよりは、プッシュ方式として緩やかなネットワークを日頃から備えることが肝要です。

ポケトークは電池が無いと働きませんが、通訳・翻訳者はケガや病気をしていなければ働けます。あなたも外国語を習得し、いざという時に備えてみませんか?

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先週日曜日の荒川土手。台風と次の大雨でいつまでも水が引かない



 

エンジニアラブな翻訳者たち:英語圏での留学経験が無い劣等感

お久しぶり過ぎです。すみません。東京モーターショー以来力と気が抜けてしまいました。

そう。劣等感。学生時代はホームステイしかしたことありませんでした。留学したいと言ったら母が「おじいちゃんとおばあちゃんが死んじゃったらどうするの?!」って言って反対してくれました。ええ、ええ。祖父は86歳まで。祖母は90歳を超えました。私が大学生当時二人とも70代。

でも、私悔しかったのでビジネスインターンで中年になってから渡米してそのまま在米7年。帰国おばさんになりました。その前は、留学経験がないことにものすごく劣等感がありました。通訳・翻訳始めた頃なんか留学経験のある通訳者さんをあこがれのまなざしで見ていました。今でも変わりません。一生懸命辞書を引かなくても英語が普通の人たちが働く国際人道団体にいるので、インターンの学生さんなんか見てると「すごいなぁ」って思います。するとまた「おばさんも留学しときたかったよ」って劣等感が顔を出す(笑)。

じゃぁ、どうして英語が話せたり、限定的ながら通訳ができるようになったかというと、読む・書くをたくさんしたから。知らない単語をピックアップし、ぶつぶつ言いながら覚えるのです。電車の中でするんですが、とーっても怪しい人です(笑)。自分の思い込みで使っていた表現はJapan Timesなどで矯正しました。手紙の書き方なども。技術は各国規格書と愛しのダミーの論文から言葉を吸い上げてました。
inform 人 of 内容
provide 物 with 人なんて、当時はこんな常識的なことも知りませんでした。

今度のラグビーワールドカップはポケトークのお陰で皆さん不自由がなかったそうですよ。なのになんで英語を勉強するのか。それは機械が無くても直接通じる喜びを得るためです。そして自分の情熱を相手に伝えるためです。

それって、結構幸せなんです。某人道団体で契約があるので伺っているのですが、上野駅経由で通勤しています。すると海外のお客様がよく迷子になっている(笑)。そう言う人には声を掛けます。今日はJRに入ってしまって銀座線を探しているご夫婦でした。私が声をかけることでほっとした顔をなさいますね。こちらも嬉しくなります。もちろんポケトークだっていい。けれど、とっさに声をかけるあなたはポケトークになんて話かけますか?その時、ポケトークに言うべき日本語はなんでしょうか?この咄嗟の瞬間をつかむのはやっぱり自分の脳なんですよね。

サザエさんこぼれ話で、アフリカに行ってボートで川下りしているときに気の荒いカバがうようよいるというのに、日本人観光客がボートから落ちてしまったそうです。そのときとあるおばあさんが叫んだのは "Made in Japan!!!!" だったそうです。びっくりさせる効果がありましたから、もちろん気が付いてもらえて落ちた人も助かったそうです。

今日は某テレビ局のインタビュー用の原稿を英訳していました。「遅くなってすみません」と私が言うと「全然平気。うまいし」ってお客様の反応が返ってくる瞬間はやっぱり木に登ってしまいます。きゃっほー、みたいな。私が、決して楽しいばかりじゃない翻訳や通訳をしているのって、こうした言葉と言葉の瞬間をつかんで皆さんの間に立ちながら、双方の気持ちをお伝えすることで、感謝されるのが嬉しいからだと思うんです。駅で迷える異国のお客様のほっとした顔をみるように、自分の口から出たできたてほやほやの言葉で通じ合える喜びを多くの人に知って欲しい。幸せな気持ちになって欲しいって思う英語屋ホンポでした。

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秋色の葉っぱが増えてきました。

 

エンジニアラブな翻訳者たち: 嵐の東京モーターショー雑感 ① Google翻訳

Hagibisのあとも大雨が降り続きますね。被災地の皆さんのご無事を祈っています。

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10月25日に東京モーターショーへ行ってきました。大雨のなかざぶざぶと(笑)。方向音痴の私は、やはりエンジニアラブな中国語翻訳者の方との待ち合わせに行けないばかりか、お友達をわざわざ有明から青海まで移動させるという...すみません。彼女がいなければどうやって対応するかわからなかった。わーん、ありがとう~

目的は営業です。3Mが合っていないという最悪な状況でしたが、お友達からの情報と現状を見て、日本の完成車メーカーは日本を見捨てているのか?! と思ってしまいました。日本のメーカーがこれでは海外メーカーを呼べないよねぇとつくづく思いました。ベンツとルノーはいたかな。でも、ポルシェはいなかった。しかも2階の展示。キッザニアでごまかしてみました、みたいな。

 

でも、ここで得た気づきは「もしかしてビジネスチャンス?」ともいえるかも。来年、ブース出したろうかな。さて、乞うご期待です...


緩減速・降坂 ⇒ Slow deceleration or downhill  

これは、Google翻訳かなぁ。中黒点を or って? 

こういうのが放置されるのは、展示物・展示内容の方が重要だから。翻訳は一番あとなんだそうです。さらに、完成車メーカーさんではほぼ外国語の看板はでていません。ええええっ?つまり、東京モーターショーは完全な東京ローカルショーになったと言っても過言ではありません。

各社グローバルカンパニーなので世界中のモーターショーは、各国支社なり部門なりが対応するため多言語の看板は問題なく作ることができるでしょう。ここで気づくことは、組織横断的に対応していないことです。確かに日本で説明する内容とは違うかもしれませんが、Google翻訳で意味が通じない英文を飾るよりは、各国支社等で使用した文章の方がなんぼかましと思うのです。どうせ、誰も読まないと思っているならば、ですよ。M社の方は「プロから見たら間違いが分かりますよねぇ」って。ええ、分かりますとも。それをしれっと、あなた ... orz

この、「どうせここは日本だし」感は結構前からありました。グローバル化が進んで逆に日本国内の人たちは引きこもりになってしまったのでは? というのが二人の感想です。発信する力が弱ってるよなぁって。海外のことは海外に任せてしまえばいい、みたいな投げやり感。

Google翻訳でもポケトークでも構わないという方向性は、実はメインストリームになりつつあります。日本がそれで良いと思ってしまうから。いろいろな人が翻訳はAIに取って代わられ、通訳だけは残る、みたいなことを言っている人がいます。現在AIを左脳的に訓練しているのですが、これに右脳的訓練をしたら通訳・翻訳業はあっという間に崩壊するのではないかと思います。でもね、問題は最終ユーザーですね。これで良しとして出してしまうって。は~。こうして日本のプレゼンスは下がっていく、みたいな。それと同時に、日本人の語学力ってさらに落ちていくような気がする。大げさでもなんでもなく。

 

 

エンジニアラブな翻訳者たち:語学もまた国のインフラなり

www.at-s.com
まずは上記の記事をご一読ください。

英語の読み書きだけに力を入れてきた日本の英語教育とか、文法ばかりで話せない日本人とか、受験英語ばかりで使えない日本人とか。もう、そんなレッテル貼りはやめましょう。

英語屋ホンポは、書けない、話せない日本の英語教育と位置付けるべき。そして自然災害の多い日本にあっては、語学こそソフトインフラだと私は思います。その視点がない。だからこんなすっとこどっこいなemailが送られてしまうのですよ。

それから、日本は植民地支配されたことがないから外国語が苦手とか言っているそこの、あなた。そう。あなたですよ。そんなの時代遅れですから。今や海外から何万人と日本にやって来るのです。日本から海外に出かける人々も減ったわけじゃありません。話せる、書ける、読めるは最低限でもいいからできないと。観光立国になるためじゃありませんよ。言語植民地化するわけでもありません。国のインフラとして位置づけることを提案したいです。

 

そして、皆さん。機械翻訳の精度は内容によりますが、平均して60%と思ってください。Google翻訳はネットワークを使ってマッチングしたものを探し出してつなぎ合わせるのですが、それは必ずしも人間の理屈に合わないのです。大型台風19号による甚大な被害。言葉の分からない外国人に対して「川に逃げなさい」って、それはありえない。また日本のお役所の翻訳だわ、と思われたのか、懸命な皆さんは避難されたのだと思います。この誤訳を送信した背景に休日だったので確認する職員がいなかったことを上げていますが、そもそも病気も災害も平日の昼間にやってきませんて。

だったら、一人の担当者が外部の翻訳者に投げることも必要じゃないかしら。内部に頼りすぎて外部を巻き込む組織じゃないことが丸見えです。あとはお金をケチっているだけだろうなと思われます。多少のリテンションフィーを払ってでも確保した方がいいです。100年に1回の災害にスーパー堤防はいらないでしょうと言い放った仕分け大臣がいましたが。いま、その100年に1回があらゆる場面で多発している事実。備えあれば憂いなしです。

例えば、3.11のときに、翻訳者たちはSNSを使い世界的なバイリンガルサポートが行われました。私もその一人です。当時ポートランドにおりましたが、あんな悲しい翻訳は今まで経験したことありません。私たちはオンラインで世界中を結んで24/7のサービスを提供できる。それなのに実際の災害では活用されていない。あったとしてもほんの一部ではないかしら。翻訳を機械に任せてお手軽に済ませようという背景に、一般に翻訳は通訳よりポジションが低いことがあると思います。機械翻訳と普通の日本の語学教育を受けた職員で何とかなると思っている市町村、企業のなんと多いことか。文章力、語学力、調査力、背景知識の豊富さを背景とする高度なスキルなのです。文章を書くということは、太古の昔は為政者のみに許された行為でした。また別途書き起こしますが、TOEIC500で翻訳者になれるとか、のっちゃいけませんよ。あり得ませんから。

天災に見舞われ、都度レジリエンスと知恵を蓄えてきた日本。技術と人材をリソースに第二次世界大戦の灰の中からよみがえった日本。そして海外から人々が大勢行き来する我が国にあって、語学もまた国土強靭化に欠かせません。命を守れず、何が国でしょうか。語学も国を運営するエンジニアリングだと思って欲しいです。

今日のお役立ち英語
スーパー堤防
high standard levee, super broad levee (embankment) with multiple functions

そうなんですよ。スーパー堤防は高いんじゃないんです。遊水地を広くとる堤防なんです。調べてみると面白いですよ。