chikakamiyatransbizのブログ

通訳者・翻訳者として日々の活動、他

翻訳ときどき通訳 - 本題

本当は、エアバッグやシートベルトあれこれを書き綴ろうと思っていたのに、あちこち話題が飛んでしまいました。

 

「展開する = deploy」

 

エアバッグの基布(cloth)はインフレーター(inflator)と呼ばれる部品の中に折りたたまれて収納されています。センサーが衝突を感知すると、それをインフレーターのイグナイターに伝えてスイッチが入り、着火して中の火薬に火がついて、気化したガスがバッグの中に充満し、それが外に出て来てドライバーや助手席の人に届くと「バッグが展開」したと言います。その後10秒くらいでしぼむ(deflate)ようになっています。そうしないと、ドライバーの視覚を確保できませんからね。

 

この展開については冷汗・脂汗の思い出があります。お太り師匠(戦略的人事組織のコンサルで、ひとごと(他人/人事)のプロ)について初めて本格的な通訳をしたときに、情報を展開する、という言葉を聞きました。とっさにdeployが口をついて出てきたのですが、内心冷汗たらたら💦😅。そんなわけないだろう?!と自分に突っ込みをいれていました。その後は、TPOに合わせていろんな動詞で対応しています。定訳ってあるのかしらん。私の解釈としては、属人的な情報を公開する、と言う感じです。

え?あの下から読んでも上から読んでも同じなあの会社のエアバッグの話ですか?

私はエンジニアではありませんけど、その後同社から出ていた論文を読みました。乾燥剤が無くても湿気を防げる火薬を開発したそうですね。それを過信しての事故だったのではないかと想像しています。

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翻訳ときどき通訳 - 2020年に翻訳・通訳は不要になるか?

Women's Localizationという会があって、新しいAIを駆使した翻訳ツールがあると言うので参加してきました。

翻訳はAIに取って代わられるのか?
 
私たちにとっては死活問題ですよね...
 
多くの仲間は淘汰されてしまい、私も生き残れないかもしれないけれど、上澄みだけが残るという見通し。エージェントは口をそろえて翻訳は無くならないと仰る。

詳しいことはよく理解できなかったけれど、まるで人間の神経細胞が伸びるようにビッグデータを泳ぎまわり、必要な情報をつかみ、統計と仮定を駆使して一つの文章が出来ていく。けどね、AIを駆使する翻訳の料金てどうなるのかしらね?

我々が手を入れるたびに機械はあらゆる表現を吸い上げ新しいデータを蓄え、仮定を構築し、さらには、今まで弱かった言語も学習して同時にレベルアップできるのだそうだ。そう言えばHIPOっていう、多言語を話すお教室がありましたね。一気に他言語に触れて、それなりに習得していくというメソッドが。

我々の仕事は5年後に急になくなることは無いけれど、プログラムの学習速度はすさまじく早いので、6年後には無くなっているかもしれない。

翻訳会社の場合、値下げして需要を掘り起こす、みたいなことを考えているんだろうなぁ。

それよりも、私と同じような考えをして行動に移している人がいた!3月3日の大学連携の講座には私も潜り込ませてもらう予定。ずばり言われました。私が何を目指しているのか、自分の中に答えがあるじゃないですかって。
 

翻訳ときどき通訳 - ボランティアと対価

オンサイトでご一緒の翻訳者の日本語解釈力が弱いので、研修を実施しました。話すことにおいても、技術的知識においても問題はないのですが、我々職業の基本、読む・書く力が低いので、クロスチェックをすると直す箇所が意外に多い。こちらの時間が取られます。

そこで、業務命令でもなんでもなく、私の裁量で時間を投資したわけです。感動して頂きました。翻訳するのと教えるのとは違います。教えてる通りに自分の仕事が進まないのは自らの至らなさと反省しとります。

それはさておき、この同僚からささやかながらお礼を頂戴しました。金銭ではありません。その物品が私の労に見合うかどうかは別にして、二人とも、その時間はすでに企業から支払われていますから、謝礼の必要はありません。こちらも自分の仕事を楽にしようとての投資ですから、意図したとおりの結果が出ればそれで良いわけです。でも、お気持ちはあり難く頂戴しました。当たり前と思われないで良かったと思います。


このプロジェクトも最終段階。もう少し早く終わるつもりが開発の関係で幾分伸びました。...今日はオフなので友人と懐かしいOriginal Pancakeに参ります。

翻訳ときどき通訳 - 私のタラれば

今週のお題「私のタラレバ」

一杯ありますよん。

  1. 卒論の主査の先生に従って、大学院に行っていれば、今頃...。
  2. デザインの仕事で就職していれば、今頃...。
    君は教鞭をとるべきだと、客先の東大教授に褒められたのを真に受けていれば、今頃...。
  3. 友達の勧めに従って大学院に行っていれば、今頃...。
  4. 同僚の講師の先生の勧めを聞きながら、私がもう少し若ければ大学院に行って...。

 

ねぇー、3回も大学院て言葉が出ていますね。もう遅いんだけど。
今勉強しなおせるとしたら国際政治学だなぁ。

大学の時は、A Study of Women in Love by D.G. Lawrence を卒論にしました。文学少女だったのだ(今じゃ信じられないけど)。故奥井教授、私、本当に先生の言うことを聞いておけば良かったと今思います。某大学で経営英語(組織論ベース)を教えるようになってからすごくそう思います。

今年の教え子は、本当になりたいものに気づいたころに、大学が終わる、教職課程が取れないって嘆いていました。まぁねぇ。でも、私はあきらめないように言いました。例え機械通訳・翻訳が登場しても、本人が話せる、書けるは重要です。

で、引き合いに出したのが20年前に出くわした外務省北米課の課長です。東大を出た優秀な人なんでしょうが、とある異文化講習会で質問攻めにあって泣き出しちゃったんです。英語が操れればいいってもんじゃないのです。私たち参加者は官僚答弁以外の生の声が聴きたかったのに、いわゆる人をはぐらかすためのお役所言葉でしか回答が返らない。それで参加者はさらに質問をする。

話す中味を持つことと、多言語の手伝いをすること、これ、重要。

翻訳ときどき通訳 - 再開します。

皆さん、お久しぶりです。

 

ケガをしたおかげで久しぶりに時間ができました。
年末・年始に向けて調子が悪いので、お祓いでもしてくるかぁという感じ。

それでも、北千住のジャズバーに出かけたり、ネイルを色々工夫したり、気分転換はしていました。某社プロジェクトもいよいよ終盤に入り、仕事が山のように発生しています。痛いのでしばらくデスクワークに徹します。

 

では皆さん、良い週末を。

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翻訳ときどき通訳 - スーパームーン前夜とかぐや姫?

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スーパームーン前夜と言うことで、久しぶりにペンをとりました。そうして、久しぶりにツヤベタ(分かる人は分かる (^_^;)をしてみました。

私の生涯の研究テーマ。大袈裟ですけど、どうして平安貴族の女性は髪を結わない方向に行ったんでしょう?大陸風の髪形から動きやすい衣装から毎日が筋肉痛になりそうな重い十二単かぐや姫の時代を考えると、十二単ではないはずという学者もいますね。

 

I've been wondering since I was a high school girl. When the design of clothes and hairstyle changed? Ancient Japanese, both men and women, did up their hair. Things were changed all over the sudden. Women stopped it, and just kept their hair glowing as long as possible. Outfits were changed from a sleeveless tunic-looking clothes, sleeves and pants for men, longer tunic with a colorful sash, importing Chinese style dresses and all over the sudden so-called Juni-Hitoe showed up. They were made from silk, got heavier with colorful layers of silk Kimono. These changes indicate that Japan repeated economic quantum leaps. I think it had something to do with a historical fact in 894 that Japan stopped the missions to Tang China to to learn their advanced political systems, culture, etc. But it became mere a ritual or ceremony for cultural exchange. IOW, Japan became richer financially and culturally or reached financial and cultural maturity by increasing yields and internal demand. This might tell us something the dramatic change. 

翻訳ときどき通訳 - 三橋貴明氏の講演

FBのお友達と三橋貴明氏の講演を聞いて来た。

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おはよう寺ちゃん、数々の著作で有名な経済評論家だ。しかし、よくまぁ荒川納税申告会の催し物においでになったこと(笑)。前座は税務署長だったんですが、こちらも面白かったですよ。競馬がプロになった判例というのがあって、競馬で3億稼いで、そのうち、券の購入費用が2億。この2億は経費か否かというもの。経費として裁判所が認め、国が負けた事例なんだとか。

話を元に戻して、三橋氏のデフレの仕組みを聞いて、私たちの翻訳・通訳業界のことを再考するきっかけになりました。

 

底なしの値下げ競争に晒され、特に翻訳業界では驚きの単価でオファをもらうことがあります。申し訳ないけど、私はアジア系のお客様はお断りすることが多いです。国内のGoogle翻訳者やら安い労働市場からの参入者が絡まりあい、折からの企業間の値下げ競争に巻き込まれ、出口が見えなくなっています。日本のデフレって橋本龍太郎内閣(1997年当時)の消費税値上げや財政出動引き締めなどの緊縮財政以降のことだそうで、その同じ轍を安倍政権が踏んだもんだから、3年間ブレーキがかかりっぱなしだったとか。お友達が示唆してくれたように、年金受給者が増えたことと労働人口が減ったことにより、日本の賃金は上がっていないように見えます。ただねぇ、実感としてこうした値下げ競争にさらされていると、デフレ脱却ができていないだけなんじゃないのかって思う。私たちのようにサービスや物を提供する側も、デフレだからと妙に気の小さい見積もりを出していないだろうかって考えています。

なんでこんなことを言い出したかって言うと、先週出した見積もりは普段よりレートを上げて出しました。お陰様で受注の運びとなりました。正直言って信じられませんでしたよ。もちろん協力者があってのことなのですが...

営業費用も含めて私にとって適正な価格、お客様にとって適正な価格をさらに突き詰めていこうと思った2時間でした。

商売としてしっかり考えていますか⇒私